2011/09/18

贈る言葉。



今、もう君は・・・

日常の豊かさの中で耐えられることも耐えず、できることもしないで、
生まれながらにして与えられた人としてのすばらしい能力を衰えさせてしまってないか?

そんなとき、ベースキャンプでの三十泊三一日の日々を想い出して欲しい。
暑い日も寒い日も、土砂降りの雷雨の夕暮れも、
水を汲み、顔を洗い、歯を磨き、トイレに行き、食器を洗い、米を研ぎに食材を取りに、
朝昼夕に急な108段のベースキャンプへの階段と坂を上り下り。
そして朝に夕に柴を探し集め、火を熾し米を炊く。
電話もPCもテレビもCDもゲームも無い・・・
あったのは、朝夕決まった時間に鳴きだすヒグラシの声。

十八人の仲間達と暑さを我慢して働き、思いっきり遊び歩いた。
一日の終わりに裸電球の下で、仲間と作って食べたシンプルなご飯の美味しさ。
仲間との楽しい会話や諍い(言い争い、喧嘩)疲れ果てた身体をテントの中で三人の仲間たちと横たえて寝て得た深い眠り。
人としての能力をフルに使いこなさないと何ひとつ出来ない、不自由で不便で面倒くさい生活だったからこそ、
仲間との会話が、思いやりが、愛が生まれてきた。

僕は君たちに世間一般が危険と言うナイフ、火、バイクをこのキャンプで教え与えた。
この三つは道具だ。道具は正しく使えば役に立つが、間違って使うと凶器になる。
この三十日間でこの道具を使いこなせるように、君たちの心と身体を鍛えたつもりだが、
ナイフもバイクも使わないと、錆び、火は消える。
若い君たちの心と身体も鍛えないと、錆び、生きる情熱の炎は消えてしまう。

錆びそうに消えそうになった時、いつでもハローウッズに来い!待っています。

0 件のコメント:

コメントを投稿